マカってどんなもの？
根の部分がハーブとしても用いられるマカは、南米ペルーのアンデス地域の人たちに身近な根菜類の一つで、高原地帯で暮らす人々にとっては豊富な栄養素を含む貴重な食材です。
古来、生殖機能を促す効能が伝えられてきたことから、以前は男性の精力増強に有効というイメージが先行する傾向が見られました。
しかし、近頃では妊娠を希望する場合や、更年期特有の症状をやわらげるなどの効果が期待できるとして、女性の間でも広まっているのです。
この記事では、マカとはどのようなものかについて、含まれる成分などの特徴を中心にご紹介します。
マカとはどんなもの？
マカとは、南米ペルーのアンデス山脈の高原地帯において、現在は主に栽培される野菜の一つで、キャベツやダイコン・カブといった作物と同じアブラナ科に属する多年生の植物です。
一般にマカと呼ばれる植物は記録のあるもので100種あり、そのうち11種がペルーの高地に自生しています。
マカは豊富なアミノ酸やビタミン、ミネラル類などを含んでおり、現地では古くからエネルギー源に重宝され、現在でも「完全食」と呼ばれるほど栄養価の高い植物として用いられています。
マカの外見は、同じアブラナ科の野菜であるカブによく似た、丸みを帯びた円錐形をしています。
地上部では葉が円形に地面を這うようにして成長し、食用となる根の部分は約10～30gの重さになり、その色は品種によって異なるのが特徴で、赤やピンク、白や黄色、紫や黒などさまざまに存在しています。
高地の過酷な自然環境で外的ストレスにさらされながら育つマカは、小ぶりなもののしっかりした質量があり、低地で育つマカは大ぶりになるのが特徴です。
マカの特徴
マカの特徴には、標高3,000～4,000mを超える高地の、自然環境が特別に厳しい場所で育つ力があるという点が挙げられます。
その栽培がおこなわれるのは、日本の最高峰である標高3,776mの富士山の山頂よりも高い場所ということになります。
中でもペルー中央部に位置し、最高品質のマカの生産地であるフニン県のボンボン高原は、海抜4,000～5,000mほどの自然環境がさらに厳しい盆地です。
ここまでの高度に達すると酸素が薄く、低地に住む人では少し歩くだけですら息が切れたり、重い頭痛を起こしたりするなどの体調不良になり、休まざるを得ない状況に陥ります。
また、夏の気温は昼間でも20℃、夜はマイナス15℃前後と、昼夜の気温差は30℃以上にもなり、日中は強烈な太陽光と強風にさらされる一方、夜には霜が降りるほどの低温になるという自然環境がボンボン高原の気象条件です。
しかし、空気が薄いうえに強烈な紫外線が降り注ぐこの厳しい環境が、生命力に富むマカを生み出すもっとも大きな要因となっているのです。
マカが含む栄養成分
マカは9種の必須アミノ酸を含む18種類のアミノ酸をはじめ、各種ビタミンや、鉄・亜鉛、カルシウムといったミネラル類などをバランスよく含んでいます。
このような栄養成分は「一次代謝産物」と呼ばれ、これらを含むだけでも十分に栄養価が高い食材といえますが、マカに注目されるのは特に「二次代謝産物」という成分を含んでいる点にあります。
マカが含む「二次代謝産物」
二次代謝産物とは、マカを含む光合成をおこなう植物が、自身が生きるためにつくり出す栄養素である一次代謝産物から生じた有機化合物です。
栽培法や与える肥料などにより含有量を調整できる一次代謝産物に対し、二次代謝産物がつくられるのは植物が自らを外敵から守るのを目的としているので、各植物の生育環境によって種類や量が異なる特徴があります。
古くから二次代謝産物を薬効成分として配合した医薬品が多く開発されているほど、人体に働きかけるその作用やもたらす効能は幅広いと考えられています。
つまり、植物に含まれる二次代謝産物の種類が多いほど、それぞれが人体の各部位において発揮する効果も多くなるといえるのです。
マカが含む二次代謝産物には、固有成分である「マカミド」や不飽和脂肪酸誘導体の「マカエン」をはじめ、辛み成分であるグルコシノレート類やイソチオシアネート類などが挙げられます。
含有成分による主な作用や効能
上記のような成分の働きにより、マカには自律神経やホルモンのバランスを整える効果が期待でき、月経周期を正常にしたり、卵子の数を増やしたり精子がつくられる数を促したりする効果につながるとされています。
なお、ペルーでは性欲の亢進作用が男女ともに認められるとして、不妊の改善や妊娠を促すのに働きかけるため、実際にマカが使われています。
活力を増強する作用や、疲労の回復にも用いられることから、体力低下が気になるなどの場合に活用してみてはいかがでしょうか。
引用元
マカ摂取でどのような効果が得られる？
http://www.bcics.org/research/co-opsinbc/